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”I love you. を100個訳せ。”
この場合、みんな「人と違う目立つ答え」を狙って解答していくのでしょうけど、それにしても「ツンデレ」なんて言葉がなかった1986年に、これを”アンタなんか大嫌い”といきなり訳してみせるというのは、すごいセンスだなあ、と感心してしまいました。僕が
 今の時代であれば、けっこうこういう解答をする人もいるんじゃないかとは思いますが、それは、荒川さんたちがつくってきた「レール」に僕たちが乗っているから。

 コピーライターの世界では、こういう「あるものを100種類の言い回しで表現せよ」などという課題が、発想のトレーニングとして与えられるケースが多いそうです。有名なコピーライターの谷山雅計さんも、著書『広告コピーってこう書くんだ!読本』のなかで、同じようなことを書かれています。
”I love you.”を訳す場合でも「愛しています」「好きです」「君なしじゃ生きられない」から「一緒のお墓に入ろう!」くらいまで頑張っても、せいぜい20~30個、というところ。でも、そこから先に、良くいえば「発想の飛躍」、悪くいえば「こじつけ」があって、それを繰り返すことによって、自分の引き出しが増えていくのです。
 有名なコピーライターでも、「一発のひらめき」で素晴らしいコピーが生まれるわけではなくて、たくさんの候補をあげていくなかで、いちばん良いものを選んでいくことがほとんど。
 「直感」だけでは、「一度の大当たり」はあっても、「商品になるコピー」をコンスタントにつくっていくのは難しい。

”アンタなんか大嫌い”に比べると、あかほりさんの”ヤラせろ!”は、インパクトはあるものの、「インパクト狙い」の印象が強すぎるように思われます。好きじゃなくても、単なる欲求不満からでも出てきそうな言葉だしね。
「意味としては等価なのに、全く逆の言葉になっているという美しさ」も含めて、たしかに、これを同級生にやられたら自信失くすだろうなあ。

しかしながら、「とてもかなわないと思った」荒川さんや川崎さんや隅沢さんよりも、”ヤラせろ”の、あかほりさんのほうが、「周囲の天才たちがやらないところを狙う」ことによって、世間的には「成功」しているというのも、なかなか興味深い話ではあります。
「自分の才能を客観的に評価できる」というのは、もしかしたら、すごい「才能」なのかもしれませんね。
活字中毒R。 (via toronei)
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